発熱~内科医が教える病気の話

August 10, 2017

 発熱は内科を受診する患者さんの自覚症状として最も多いものの一つでしょう。一般的には37℃台を微熱、38℃を超えると高熱といいます。健康な日本人のわきの下で測った体温は平均36.8℃です。言葉の定義上は発熱とは言わないことになりますが、「平熱が低いので36℃台でもつらい」という方もよくあります。一方で筋肉量の多い方などで平熱が高く、普段から37℃台という方もあります。


 体温が38℃以上あれば、何かしらの病気があると考えなくてはなりません。しかし、40℃あるから重症というわけではないし、38℃だから安心ということもありません。熱の数字よりも本人の具合、随伴症状が大事です。


 急に熱が出るときに、ぞくぞくした寒気を感じることがあります。これを、悪寒(おかん)といいます。さらに、高熱がでると、がたがたと体が震えることがあります。これを、戦慄(せんりつ)といいます。発熱の原因の一つが風邪や膀胱炎などの感染症ですが、人間の体は熱をだすことで直接的にウイルスや細菌などを殺そうとします。37℃前後を好むウイルスの働きを弱めるために、必要な体温が脳によって設定され発熱が引き起こされます。発熱によって免疫力を強化する仕組みもあります。発熱は体の防衛反応でもあります。戦慄(せんりつ)は、筋肉を激しく震わせることで、体温を上げ、感染から体を守る反応です。


 したがって、むやみに熱を下げることは体の防衛反応を妨げることになり、病気の治癒の過程においては不利になることもあります。治療に際しては、自覚症状のつらさを勘案しながら解熱剤などの処方を考えることになります。


 その他にも膠原病や悪性腫瘍などが発熱の原因となります。薬剤性の発熱というものもあります。

 

 

 

 それとは別に季節がら注意しなければいけないのが、熱中症による体温上昇(高体温)です。時に40℃を超える高熱を生じることもあり、この場合は熱射病とも呼ばれます。


 人間は体が熱を産み出す働きと、体から熱を逃がす働きのバランスで体温を調節しています。体温より気温が高い場合には、汗を出して気化することで体温を平常に保ちます。大量の汗をかき、体内の水分が失われると、それ以上汗をかくことができないため、体温が上がっていきます。


 熱中症による高熱が見られる場合には、大至急救急車を呼び、体を冷やす応急処置を行いましょう。首筋やわきの下といった体表近くの静脈(太い血管)の通るところを冷やすとより効果的です。


 意識がはっきりしている場合には、スポーツドリンクなどを自分で飲んでもらい様子を見ながら塩分を含む水分補給を行います。意識がはっきりしない場合には、無理な水分補給は避けましょう。
 

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